2025年度スローガン

一般社団法人 宇治青年会議所
第56代理事長 竹元 佑太
はじめに
1969年、志を同じくする若き青年たちにより、全国で431番目の青年会議所として、宇治青年会議所が設立されました。先輩諸兄姉がこれまで積み重ねてこられた活動や多くの方々のお力添えにより、昨年は創立55周年という節目を迎えることができました。地域の未来を担う私たちは、今一度この歴史の重みを胸に刻み、新たな地域の課題に挑戦し、脈々と受け継がれてきたバトンを次の世代へと引き継いでいかなければなりません。
私たちの使命は、私たちの暮らす宇治市、久御山町、宇治田原町の1市2町に顕在化、潜在化している課題を見つけ、解決し、次世代を担うリーダーを育成することです。そして、私は理事長として、メンバー全員が持てる力を発揮し、共に成長しながら明るい豊かな社会の実現に向けて全力で取り組むことをお約束します。
宇治青年会議所の現状
宇治青年会議所は現在、入会3年未満のメンバーが半数以上を占め、経験年数が少ない人間が重要な役職を担う現状にあり、誰かに任せておけば大丈夫だろうではなく、メンバー一人ひとりが自らの役割に責任をもって、助け合いながら活動していく必要があると考えます。楽しいことは一丸となって取り組むことはできていても、苦しいこと、辛いことは避けて人任せになっているのではないでしょうか。それぞれ色々な想いがあって宇治青年会議所に入会してこられたはずです。「仕事に繋げたい」「仲間を増やしたい」「経営者として成長したい」など様々な考えがあるかと思いますが、共通して言えることは「現状よりももっと良くなりたい=成長」ということです。苦しいこと、辛いことを避けて成長はありません。
メンバーそれぞれが思いやりに溢れ、他人事ではなく当事者意識をもって活動していくために。そして、なりたい自分になるために、自身のビジョンを明確にし、挑戦し続けられる人財へと共に成長してまいりましょう。
会員拡大 60周年に向けた基盤づくり
全国的に会員拡大については最重要課題であり、私たち宇治青年会議所としても会員数は横ばいの状況が続いており、まだまだ会員数は少なく、私たちの活動に影響を及ぼしているのが現実です。4年後の60周年の節目には、京都ブロック大会の主管青年会議所という大役が控えており、現状のままでは人員不足、経験不足であると言わざるを得ません。メンバーの成長もさることながら、この1、2年が会員拡大の最重要ポイントであると考えます。
会員拡大活動において、メンバー一人ひとりが会員拡大の当事者になる必要がありますが、知り合いに声を掛けた、紹介待ちといった楽な方法では会員は増えません。これからは大きな視野でより多くの対象者をリストアップし、現状より更に能動的に戦略的に攻めた会員拡大活動が必要だと考えます。自身をより成長させ、60周年に向けた盤石な基盤を整えるためには、活動を共にする同志を一人でも多く作っていくことが必須です。
青年会議所の仲間は、単なるメンバーシップを超えた存在であり、共に学び、共に挑戦し、共に未来を創る同志です。青年会議所活動で得られる仲間との絆は、地域社会だけでなく、個々の人生にも大きな影響を与える重要なものとなります。メンバー一人ひとりが今自分にできることを考え、必ず会員拡大を成し遂げ、地域からも家族からも愛される組織づくりをしていきましょう。
地域から必要とされる組織であるために
私たちの活動する1市2町、この地域に宇治青年会議所は本当になくてはならない組織でしょうか。もしかして、なくても困らない組織なのではないかと私は危惧しています。
現在までに先輩諸兄姉が築き上げてこられた事業や地域社会への活動には、様々な経緯と想いが込められており、地域の人たちに少しでも喜んでもらおうと時間、労力を費やし努力されてきました。その中には市民移管してきた事業も沢山あり、私たちの活動が地域に与える影響は大きく、地域に根ざした社会運動をしている私たちは、必要とされる組織でなくてはなりません。
青年会議所が地域から必要とされる組織であり続けるためには、地域のニーズに応える活動を行う必要があります。売れる営業マンと売れない営業マンの差はなんでしょうか。
それは、顧客のニーズを的確に掴んでいるかどうかだと言えます。前者は顧客の課題や問題を解決するための提案を行います。そのために、まず課題が何か知る必要があり、その営業マンは顧客とコミュニケーションを図るでしょう。後者は商品やサービスの特徴だけを説明し、それが顧客にどう役立つかを具体的に示せません。その結果、顧客にとって不適切な商品やサービスを無理に押し売りし、信頼を失います。
これを私たちの活動に置き換えて考えてみてください。事業の詳細はチラシやSNSによる告知だけで、この事業が地域や地域の人たちにとって本当に必要な事業なのかどうかわからないようでは、私たちの活動も押し売りと何ら変わりません。身内だけで楽しんでいる組織だと思われ、必要とされることはないでしょう。地域、地域の人たちから必要とされる組織であるための第一歩は、まずは聴くことです。地域が抱えてる課題は何なのか、地域の人たちが求めていることが何なのか、傾聴し、地域や地域の人たちのニーズを掴んでください。そして、地域内の様々な組織や団体と協力関係を築いていくことも重要です。地域の企業や自治体と連携することで、より大きなインパクトをもつ事業が実現できるだけでなく、地域全体の課題解決に向けた取り組みが可能になると確信しております。地域社会と密接な協力関係を築き信頼を得ることが、宇治青年会議所の存続と発展につながります。
最後に
青年会議所は40歳までの限られた時間の中で、情熱を燃やし全力で取り組むからこそ意味があります。どのように青年会議所の現役生活を終えたいのか、卒業の時の姿を想像できていますか。後悔はありませんか。青年会議所は自分から求めればいくらでも学ぶ場所も機会もあります。自分にはまだ学ぶべきことが多くあるという謙虚な姿勢を持ち、他者の意見や異なる意見を尊重し、常に自分自身を改善し続ける意思を持ってください。
学びは時に困難な挑戦を伴います。未知の領域に飛び込み、失敗を恐れずに経験から学び取る意欲が重要であると私は考えます。
先輩諸兄姉から受け継いだ55年の歴史ある宇治青年会議所を未来へと繋ぎ、地域の人々や組織の絆を深めさらに強い結びつきを築いていきましょう。